「身に覚えがない」のにBAN?
メルカリAI監視が76万件停止した2026年の実態
メルカリを毎日使っていたのに、ある朝突然ログインできなくなった——そんな悪夢が現実になっている。2026年2月にメルカリが公表した透明性レポートで、2025年7〜12月の半年間に実に76万2486件のアカウントが利用制限を受けたことが明らかになった。前年同期比58%増という異常な数字の裏に、AIによる「過検知」問題が静かに広がっている。
この記事の結論
メルカリのAIは2025年からキャンセル頻度・通報数・出品パターンを複合的にスコアリングし、疑わしいと判断したアカウントを予告なく停止する。身に覚えがない場合でも「AIによる誤検知」の可能性があり、事務局への異議申し立てで解除されるケースが存在する。ただし無期限停止の解除率は低く、予防が何より重要だ。
この記事の内容
なぜ今、こんなに多くの人が停止されているのか
2026年2月27日、メルカリが公表した透明性レポートは衝撃的な数字を含んでいた。2025年7〜12月の半年間で76万2486件のアカウントが利用制限を受け、前年同期比58%増という記録的な増加を示した(メルカリ透明性レポート 2026/2/27、日経新聞 2026/2/27)。
2025年後半のBAN統計
76万2,486件
アカウント停止数(半年)
+58%
前年同期比増加率
5,654万件
不正ブランド品削除数
0.38%
ユーザーのトラブル遭遇率
この背景にあるのが、2025年から本格導入されたAIスコアリングシステムだ。従来の人力審査に加え、キャンセル頻度・通報数・出品パターン・ログイン行動を複合的にスコアリングし、一定のスコアを超えたアカウントを自動停止する運用に切り替わった。
重要なのは、このシステムが「確実な違反者」だけを止めているわけではないという点だ。メルカリは「未然防止」を優先する方針に転換しており、疑わしければ先に止めるという運用になっている。これが冤罪BANを生む温床となっている。
冤罪BANを引き起こす意外な行為5つ
善意の出品者が知らずにやってしまいがちな行為が、AIのスコアを押し上げてしまう。
短時間の大量出品
1時間以内に20件以上を出品するとBotと判定されやすい。商品をまとめて登録したい場合でも、時間を分散させることが必須。
キーワード詰め込み(ブランド名羅列)
商品と関係のないブランド名を説明欄に並べる行為。AIが偽ブランド品の出品パターンと酷似していると判断する。
本物ブランド品の出品
正規品でもAIが画像・説明文から偽物と自動判定するケースが増加中。特にヴィンテージ品や並行輸入品が誤判定を受けやすい。
取引キャンセルの累積
3件を超えるキャンセルはスコアに大きく影響する。購入者都合でも出品者アカウントのスコアに加算される点に注意が必要だ。
発送遅延の繰り返し
48時間超の発送が複数回続くと、信頼スコアが急落する。急な都合で遅れる場合は、購入者へのメッセージで事前に伝えることが重要。
「予兆」を見逃すな — BAN前に起きること
完全停止の前には必ず兆候がある。早めに気づいて対処できれば、最悪の事態を避けられる可能性がある。
商品が検索圏外に飛ぶ
自分の出品した商品をキーワード検索しても表示されなくなる。シャドウBANの典型的な初期症状。
事務局からのお知らせが届く
「規約違反の可能性がある」という警告通知。これが来たら即座に出品内容を見直すべきサインだ。
いいね数が急減する
商品の露出が下がり、アルゴリズムによる表示順位が落ちているサイン。出品内容の見直しが急務。
コメントが届かなくなる
以前は問い合わせがあった商品にまったくコメントが来ない状態が続く場合、検索露出が制限されている可能性が高い。
身に覚えがないBANへの対処法【ステップ別】
不当停止だと思ったら、落ち着いて以下の手順で動く。感情的な問い合わせは逆効果になりやすい。
事務局へ問い合わせ(停止理由の確認)
アプリの「マイページ → お問い合わせ」から連絡。停止理由の確認から始める。理由不明のまま解除を求めても効果が薄い。
違反に該当しないことを丁寧に説明
停止理由を把握したうえで、具体的な取引状況・出品内容・経緯を事実ベースで文書化して返信する。「不当だ」という主張より「なぜ違反に該当しないか」の説明が重要。
正規品の場合はレシート・シリアル番号を提示
ブランド品の偽物判定で停止された場合、購入店舗のレシート・シリアル番号・正規販売店の購入証明を添付する。写真の品質が高いほど審査通過率が上がる傾向にある。
売上金が残っている場合は即座に振込申請
停止通知を受け取ったと同時に振込申請を行う。無期限停止の認定後は振込申請自体ができなくなるケースがある。売上金の保護は最優先事項と心得ておく。
AIBANされない出品の3原則
原則1:商品説明に無関係ワードを入れない
関係のないブランド名や「本物保証」「正規品」などの過剰な強調はAIの警戒フラグを立てる。商品の特徴を正確に記述することだけに集中する。
→ NGワードチェッカーで確認する原則2:1日の出品数を分散させる
50件以上の出品が必要な場合は2〜3日に分ける。一度の大量出品はBot判定の主要トリガー。夜間の集中登録も要注意だ。
原則3:キャンセル・遅延ゼロを徹底する
購入後のキャンセルと48時間超の発送遅延は、AIスコアへのダメージが最も大きい行動だ。「売れてから考える」ではなく在庫確認と発送体制を整えてから出品する順番を守る。
→ 出品診断ツールでリスクを事前確認するよくある質問
身に覚えがないのにBANされた。どうすればいい?
BAN後に新しいアカウントを作っても大丈夫?
2026年のAI監視で特に危険な行為は?
売上金はBAN後に受け取れる?
著者プロフィール
山田 翔太
フリマ歴8年、メルカリ取引2,000件超。家電・ブランド品・ホビーを中心に月商最大15万円を達成。アカウント管理と規約対策を得意とする。