中国輸入で気をつけるべき
規制まとめ|PSE・技適・薬機法・商標の基本
何が対象で、何をすれば良く、違反するとどうなるか
を規制ごとに整理する
山田 翔太
フリマナビ編集部|メルカリ・ヤフオクでの出品・仕入れ経験にもとづく解説 / 最終更新: 2026-09-30
📌 結論
中国輸入せどりで関わる可能性がある代表的な規制は、PSE(電気用品安全法)・技適(電波法)・薬機法・商標権の4つです。いずれも、輸入・販売する側が自分で確認する必要がある点は共通です。この記事はそれぞれの規制が何を対象にし、何をすれば適合し、違反するとどうなるかという枠組みを整理するものであり、個別商品の適法性を判断するものではありません。安全に始めたい場合は、これらの規制が関わりにくいカテゴリーから着手するのが現実的な選択です。
制度確認日:2026年9月30日
本記事は一般的な制度の枠組みを紹介する教育的コンテンツであり、法的助言ではありません。個別の商品が各規制の対象になるかどうかは、経済産業省・消費者庁など所管省庁の公開情報を確認するか、行政書士・弁護士など専門家にご相談ください。判断に迷う場合は、対象カテゴリーの取り扱いを見送ることをおすすめします。
PSEマーク(電気用品安全法)
何が対象か
電気を用いる製品の中に電気用品安全法の対象になるものがあります。対象かどうかは経済産業省の電気用品の品目一覧で確認してください。中国輸入せどりの定番である家電ガジェット小物カテゴリーは、この規制と密接に関わります。
誰が責任を負うか
重要なのは、PSE適合の責任を負うのは海外の製造元ではなく、国内で最初にその製品を輸入する「輸入事業者」本人だという点です。AliExpressや1688で仕入れた時点でPSE対応が済んでいるとは限らず、輸入した本人が技術基準への適合を確認する立場になります。
対応するには何が必要か
輸入事業者は、事業開始から30日以内の事業届出、技術基準への適合確認、全数の自主検査(記録は3年間保存)を行い、そのうえでPSEマークを表示します。輸入事業者は海外の製造元任せにできません。PSEマークのない対象製品は販売・陳列できません。
違反した場合どうなるか
PSEマークのない対象製品は、販売・陳列できません(電気用品安全法第27条)。
現実的な対応方針
手続きの負担を踏まえ、PSE対象カテゴリーを扱わないという選択肢もあります。
技適マーク(電波法)
何が対象か
Bluetoothイヤホン・ワイヤレス充電器(共振方式など電波を利用するもの)・無線リモコンなど、電波を発する機能を持つ機器全般が対象です。対象になるかどうかは電波を発する機能の有無で決まり、その機能がどれほど小さく目立たないものであっても関係ありません。
誰が責任を負うか
無線機器には技適マークが付いているかどうかを確認する必要があります。総務省は、技適マークが付いていない無線機の多くは電波法令の技術基準に従っていないと説明しています。
対応するには何が必要か
日本国内で合法的に無線機器を扱うには、技術基準適合証明を取得している製品を選ぶか、自ら証明を取得する必要があります。個人輸入の範囲で証明を取得するのは現実的ではなく、証明済みの製品かどうかを仕入れ前に確認することが実務上の対応になります。
違反した場合どうなるか
技適未取得の無線機器を国内で運用することは、電波法上、問題になり得ます。総務省は、技適マークのない無線機の購入・使用に注意するよう呼びかけています。技適マークは、認証を受けていない機器に表示することが禁止されています。機器の認証は総務省の検索ページで確認できます。
現実的な対応方針
無線機能付き商品は確認事項が多いため、扱い慣れるまで避けるという選択肢もあります。スマホケースやスタンドなど電波を発しない付属品であれば、この規制の対象外です。
薬機法
何が対象か
化粧品・医薬部外品・医療機器などが薬機法(医薬品医療機器等法)の対象です。分類が判断しにくい商品は、都道府県の薬務担当課や厚生労働省に確認してください。
分類ごとの違い
薬機法上の分類は「化粧品」「医薬部外品」「医療機器」に大きく分かれ、必要な手続きの重さが大きく異なります。化粧品・医薬部外品・医療機器等は、厚生労働大臣の製造販売業の許可を受けた者でなければ、業として輸入できません(税関)。個人が自分で使うための個人輸入は、化粧品で標準サイズ1品目につき24個以内が目安で、転売はできません。
対応するには何が必要か
商品の分類を正しく把握した上で、必要な届出・許可を取得することが前提になります。分類の判断自体が専門的な知識を要するため、この分野を扱う場合は自己判断せず専門家に相談することが強く推奨されます。
違反した場合どうなるか
無許可販売や誇大な効能効果の標榜は、行政指導・販売停止にとどまらず、悪質なケースでは刑事罰の対象になることもあります。4つの規制の中でも、法的リスクの重さという観点で特に注意が必要な分野です。
現実的な対応方針
健康・美容に関する効能効果を暗示する商品は、十分な調査なしに扱わないことをおすすめします。単なる雑貨(アクセサリー、ファッション小物など)であれば、この規制の対象にはなりません。
商標権・コピー品
何が対象か
登録商標のロゴ・ブランド名、あるいはそれらに酷似したデザイン・意匠を含む商品全般が対象です。有名キャラクターやブランドを直接的に模したものだけでなく、「よく似ている」と判断される程度のデザインも対象になり得ます。
意図の有無は関係ない
税関は、商標権などの知的財産権を侵害する物品を『輸入してはならない貨物』として取り締まります。侵害の疑いがある貨物には認定手続が取られ、輸入者は証拠や意見を提出できます。侵害と認定された貨物は、輸入者による廃棄や税関による没収の対象になります。令和4年10月からは、海外の事業者から個人使用目的で届く模倣品も規制の対象になりました。
対応するには何が必要か
仕入れ前に、商品が特定ブランド・キャラクターを想起させる意匠を含んでいないかを確認することが基本の対応です。
違反した場合どうなるか
税関で商品が差し止め・没収されると、仕入れにかけた費用はそのまま損失になります。悪質な模倣品の輸入・販売と判断された場合は、民事上の損害賠償請求や、刑事責任を問われる可能性もあります。
現実的な対応方針
オリジナル性の高い、特定ブランド・キャラクターに依存しない商品を選ぶことが最も確実な対応です。仕入れサイト比較で触れた通り、仕入れ元をAliExpressの小売向けリスティングに絞ることも、リスクを下げる一つの方法です。
規制まとめ比較表
4つの規制を、トリガー(何が対象になるか)と初心者向けの回避策で一覧にまとめます。売れる商品カテゴリー7選のガイドで紹介した各カテゴリーが、どの規制と関わりやすいかも合わせて確認してください。
| 規制 | 主なトリガー | 初心者向けの回避策 |
|---|---|---|
| PSE(電気用品安全法) | 充電器・ケーブル・バッテリー内蔵機器など電気製品全般 | 電気を使う家電ガジェット小物カテゴリーを避ける |
| 技適(電波法) | Bluetooth・ワイヤレス充電など電波を発する機能 | 無線機能付きのスマホアクセサリーを避ける |
| 薬機法 | 化粧品・医薬部外品・医療機器など | 製造販売業の許可なしに、化粧品・医薬部外品・医療機器に当たる商品を業として輸入しない |
| 商標権・コピー品 | ブランド・キャラクターに酷似したデザイン | オリジナル性の高い商品を選び、1688/Taobaoの類似品仕入れを避ける |
逆に言えば、電気・電波を使わず、健康効果も標榜せず、オリジナルデザインの布製品・装飾品(ファッション小物・アクセサリー・季節アパレルなど)は、4つの規制のいずれにも該当しにくい、初心者が始めやすいカテゴリーです。
次に読みたい記事
この記事は、中国輸入×一人在宅物販シリーズの締めくくりとして、各記事で触れてきた規制を一つにまとめたものです。シリーズの他の記事も、あわせてご覧ください。
よくある質問
中国輸入でPSEマークが必要な商品はどれですか?▼
スマホアクセサリーに技適マークは必須ですか?▼
化粧品などを中国から仕入れて売れますか?(薬機法)▼
商標権侵害のリスクがある商品を輸入するとどうなりますか?▼
規制を気にせず中国輸入せどりを始めるにはどうすればいいですか?▼
📚 参考情報・出典
- [1] PSE(電気用品安全法)の概要 - 経済産業省(meti.go.jp) / 輸入手続き(meti.go.jp)
- [2] 技適マーク制度 - 総務省(soumu.go.jp) / よくある質問(soumu.go.jp)
- [3] 化粧品類等の個人輸入について - 税関(customs.go.jp)
- [4] 知的財産侵害物品の取締り - 税関(customs.go.jp) / 知的財産侵害物品(customs.go.jp)
※本記事は一般的な規制の枠組みを紹介する教育的コンテンツであり、法的助言を目的としたものではありません。個別の商品が特定の規制に該当するかどうかは、経済産業省・消費者庁など所管省庁の公開情報を確認するか、行政書士・弁護士など専門家にご相談ください。
📝 まとめ
✅ 中国輸入せどりで関わる可能性がある代表的な規制は、PSE・技適・薬機法・商標権の4つ
✅ PSEは輸入事業者に届出・適合確認・自主検査の義務がある。技適は無線機器のマークの有無を確認する
✅ 薬機法は化粧品・医薬部外品・医療機器などに関わり、業として輸入するには製造販売業の許可が必要(税関)
✅ 知的財産権を侵害する物品は『輸入してはならない貨物』で、認定されれば輸入者による廃棄や税関による没収の対象になる
✅ 電気・電波・効能表示・ブランド模倣のいずれもない布製品・装飾品系カテゴリーが、初心者にとって最も安全な入口