中国輸入は古物商許可が不要?
新品せどりと中古せどりの法的な違い
「許可不要」は「無規制」ではない
という注意点まで整理
山田 翔太
フリマナビ編集部|メルカリ・ヤフオクでの出品・仕入れ経験にもとづく解説 / 最終更新: 2026-09-30
📌 結論
中国輸入せどりはAliExpress・1688・Taobaoから新品を仕入れる仕組みのため、古物営業法上の古物商許可は原則不要と考えられます(個別は都道府県警察に確認してください)。これはメルカリ・ヤフオクでの中古品仕入れ転売とは根本的に異なる、別の法的カテゴリーです。ただし「許可が要らない」ことと「何も規制されない」ことはまったく別の話で、扱う商品によってはPSE・技適・薬機法・商標といった別の規制が関わってきます。
制度確認日:2026年9月30日
古物商許可とは?おさらい
フリマで売り続けると違法?古物商許可が必要なラインで詳しく解説した通り、古物商許可は古物営業法にもとづく都道府県公安委員会の許可です。ここでいう「古物」とは、一度使用された、または使用のために取引された物品を指します。中古品として売買される衣類・時計・カメラ・ゲームソフトなどが該当します。
許可を受けずに古物営業を営んだ場合、古物営業法第31条により3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。『営業』とは、警察庁の解釈基準で、営利の目的をもって同種類の行為を反復継続して行うこととされています。メルカリで安く仕入れて高く売る、といった中古品の仕入れ転売を継続的に行う場合は、この許可の対象になり得るというのが前回記事の要点でした。
では中国輸入せどりはどちら側なのか
中国輸入せどりは、AliExpress・1688.com・Taobaoといったサイトから新品として仕入れる仕組みです。中古品を仕入れて転売するメルカリ・ヤフオクせどりとは、仕入れる商品の性質そのものが違います。この違いが、古物商許可の要否を考える出発点になります。
なぜ新品せどりは古物商許可が不要なのか
結論として、中国輸入せどりで扱う商品は新品として仕入れる商品であり、古物営業法が定義する「古物」(一度使用された、または使用のために取引された物品)には、通常は該当しないと考えられます。そのため、この事業モデル自体には古物商許可は原則として不要と考えられます。警察庁の解釈基準では、小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、未使用でも古物に当たります。海外の通販サイトで仕入れる場合の扱いは、都道府県警察(公安委員会)に確認してください。
許可制度が存在する本来の理由
古物営業法は、盗品や不正に取得された物品が中古市場を経由して転売され、被害品の発見・追跡が困難になることを防ぐために作られた法律です。中古品は「誰の手を経て今ここにあるのか」という来歴が不透明になりやすく、その来歴を追跡可能にするために、古物商には取引相手の本人確認や帳簿への記録が義務づけられています。
古物営業法の目的は、盗品等の売買の防止と、速やかな発見です(法第1条)。新品として仕入れる商品は、この目的との関係で古物に該当しないと考えられる場合が多いですが、個別の判断は都道府県警察(公安委員会)に確認してください。
別の道であって、抜け道ではない
ここで誤解しやすいのは、「中古品せどりの許可を回避するために新品に切り替える」という発想です。そうではなく、新品輸入と中古品転売は最初から別の法的カテゴリーに属しています。新品として仕入れる場合に許可が不要と考えられるのは、抜け道を使っているからではなく、古物営業法が対象とする行為に当たらないと考えられるからです。
新品せどりと中古せどり|法的な違い比較表
ここまでの内容を、新品せどり(中国輸入)と中古せどり(メルカリ・ヤフオク仕入れ転売)の比較表として整理します。
| 項目 | 中国輸入せどり(新品) | メルカリ・ヤフオク仕入れ転売(中古品) |
|---|---|---|
| 仕入れる商品 | 新品として仕入れる商品 | 個人が保有していた古物(中古品) |
| 古物営業法の対象 | 新品として仕入れる場合は原則対象外(個別は警察に確認) | 対象(「古物」に該当) |
| 古物商許可 | 原則不要 | 営利・反復継続なら原則必要 |
| 許可制度の趣旨との関係 | 新品として仕入れる場合は個別に警察へ確認 | 盗品混入・来歴不透明のリスクがあるため許可制で管理 |
| 無許可営業の罰則 | 許可が不要な場合は該当しない | 3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| それでも関わりうる規制 | PSE・技適・薬機法・商標など商品カテゴリー別の規制 | 古物営業法(本人確認・帳簿記録義務など) |
重要なのは最後の行です。中国輸入せどりは古物営業法の対象からは外れますが、代わりに商品カテゴリーごとの別の規制が関わってきます。「古物商許可が不要」という一点だけを見て、規制が何もないと考えるのは誤りです。
「許可不要」は「無規制」ではない
ここが本記事で最も伝えたい部分です。古物商許可が不要だからといって、中国輸入せどりが完全に自由な事業モデルというわけではありません。扱う商品カテゴリーによっては、古物営業法とはまったく別の法律・制度が関わってきます。ここでは4つの代表例を、概要だけ押さえておきましょう。詳しい解説は別記事(規制まとめガイド)に譲ります。
電気用品安全法(PSEマーク)
電気用品を販売する場合、対象品にはPSEマークの表示が必要です。対象品目は経済産業省の品目一覧で確認してください。
電波法(技適マーク)
無線機器は技適マークの有無を確認する必要があります。総務省は、技適マークのない無線機の購入・使用に注意するよう呼びかけています。
医薬品医療機器等法(薬機法)
化粧品・美容雑貨・医療機器的な商品を扱う場合は薬機法が関わります。効能効果の表示方法や、商品カテゴリーによっては販売そのものに規制がかかる場合があります。
商標権・コピー品(模倣品)
ブランドロゴや意匠を模倣したコピー品を輸入・販売すると、商標権侵害として税関での差し止めや法的責任の対象になります。仕入れサイトで見つけた「安すぎる有名ブランド風」の商品には注意が必要です。
この4つは、あえて深掘りしません
PSE・技適・薬機法・商標のそれぞれについて、具体的にどんな商品が該当し、どう対応すればよいかは、この記事の範囲を超えます。詳しくは、中国輸入で気をつけたい法規制だけをまとめた別記事で深掘りする予定です。ここでは「古物商許可が不要=何でも自由に売れる」という誤解を避けるための概要として押さえておいてください。
規制が関わりにくいカテゴリーの再確認
中国輸入せどりの始め方ガイドや仕入れサイト徹底比較記事でも触れてきた通り、アパレル・ファッション小物・雑貨といったカテゴリーは、PSE(電気用品ではない)・技適(無線機能を持たない)・薬機法(化粧品や医療機器ではない)のいずれにも該当しにくく、比較的規制が関わりにくいカテゴリーです(商標を含め、商品ごとの確認は必要です)。
初めて中国輸入せどりに挑戦する場合は、まずアパレル・雑貨のような規制の少ないカテゴリーで仕組みに慣れ、電気用品や化粧品など規制が絡むカテゴリーに手を広げるのはそのあとにする、という順番がリスクを抑えるうえで現実的です。
どのカテゴリーが規制面で安全か、どのカテゴリーに注意が必要かをさらに詳しく知りたい方は、売れる商品カテゴリー7選のガイドで7つの定番カテゴリーごとの向き不向きを整理しています。
次に読みたい記事
この記事は、中国輸入せどりの法的な位置づけを整理した記事です。関連するテーマは、以下の記事でも取り上げています。
よくある質問
中国輸入せどりに古物商許可は必要ですか?▼
新品せどりで古物商がいらないのはなぜですか?▼
中国輸入せどりを始めるのに必要な資格はありますか?▼
古物商許可が不要なら、中国輸入は何も気にしなくていいですか?▼
📚 参考情報・出典
- [1] 古物営業法の解釈基準 - 警察庁 通達、令和8年5月14日(npa.go.jp) / 古物営業法(e-Gov)
- [2] 規制の詳細は、規制まとめ記事で確認できます
※本記事は一般的な法律・制度の解説を目的とした教育的コンテンツであり、法律相談・法的助言ではありません。個別の商品カテゴリーが特定の規制に該当するかどうかは、経済産業省・関係省庁の公開情報を確認するか、専門家(行政書士・弁護士等)にご相談ください。
📝 まとめ
✅ 中国輸入せどりは新品として仕入れるため、古物営業法上の古物商許可は原則不要(個別は警察に確認)
✅ 古物営業法の目的は盗品等の売買防止と速やかな発見(法第1条)。新品として仕入れる場合は個別に警察へ確認
✅ 中古品の仕入れ転売(メルカリ・ヤフオク等)とは、最初から別の法的カテゴリー。抜け道ではなく別の道
✅ 「古物商許可不要」=「無規制」ではない。PSE・技適・薬機法・商標など商品カテゴリー別の規制は別途存在する
✅ 初心者は規制の少ないアパレル・雑貨からスタートし、電気用品・化粧品などは規制を理解してから扱うのが安全