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個人輸入と商用輸入の違い

個人輸入と商用輸入の違い
「16,666円」の正体と、転売でも使える1万円の免税ライン

商業貨物でもCIF1万円以下なら免税
課税のしくみを誇張なく整理

2026-09-11約11分で読めます山田 翔太
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山田 翔太

フリマナビ編集部|メルカリ・ヤフオクでの出品・仕入れ経験にもとづく解説 / 最終更新: 2026-09-30

📌 結論

「16,666円まで非課税」という数字は、個人使用目的の輸入にだけ成り立つ、60%換算からの逆算の目安にすぎない。転売のために仕入れる商業貨物には60%換算は使えないが、商品価格・運送費・保険料を合計した金額(CIF)が1万円以下であれば、商業貨物でも関税・消費税は原則免除される。さらに、この0.6掛けの特例自体が令和10年4月1日(2028年4月1日)に廃止されることが法律で決定している。まずこの前提を押さえたうえで、簡易税率のしくみと、制度改正の詳細を確認しておく必要がある。

制度確認日:2026年9月30日

本記事の制度に関する記載は、税関・財務省・国税庁が公表している情報にもとづく。制度は今後変更される可能性があるため、実際の税額計算の前には必ず各機関の最新情報を確認してほしい。

「16,666円」の正体

中国輸入せどりに関する情報を調べていると、「16,666円までの買い物なら関税・消費税がかからない」という説明を目にすることがあります。この数字は個人使用目的の輸入に限った計算上の目安であり、転売のために仕入れる場合(商業貨物)にそのまま当てはまるわけではありません。ただし、転売目的の仕入れでも無条件に高い税金がかかるわけではなく、1万円以下の免税ラインは商業貨物にも同じく存在します(商品価格+運賃+保険料の合計で判定)。まずこの「16,666円」の正体を整理します。

なぜ「16,666円」という数字が出てくるのか

個人使用目的の郵便物等では、課税価格を海外小売価格のおおむね60%として計算する扱いがあります。課税価格の合計が1万円以下であれば、原則として関税・消費税は免除されます(酒税・たばこ税を除く)。これを逆算すると、「商品価格が16,666円(=1万円÷0.6)程度までなら課税価格が1万円以下に収まり、非課税になりやすい」という目安が導き出されます。つまり16,666円は公式の非課税ラインそのものではなく、60%換算と1万円免税ラインから逆算された、個人使用の場合だけに成り立つ目安です。なお、この0.6掛けの特例は令和10年4月1日(2028年4月1日)に廃止されることが法律で決定しています。

転売のために仕入れる場合、この60%換算は使えません。その代わり、商品価格・運送費・保険料を合計した金額(CIF)がそのまま課税価格になります。そして商業貨物であっても、この課税価格の合計が1万円以下であれば、関税・消費税は原則免除されます。つまり「0.6換算が使えるかどうか」が個人使用と商業貨物の最大の違いであり、免税ラインの1万円自体はどちらにも存在します。次の章で、この違いを整理します。

個人輸入と商業貨物の違い

個人輸入(自己使用目的)と商業貨物(転売用など)では、課税価格の計算方法が次のように変わります。

区分定義課税価格の計算
個人輸入(自己使用)自分で使うために輸入すること海外小売価格×0.6(令和10年3月31日まで)
商業貨物(転売用など)販売目的などで輸入すること商品価格+運送費+保険料の合計(CIF)

個人使用かどうかで変わるのは「計算方法」

個人輸入と商業貨物のどちらに該当するかが具体的に何で決まるかについて、本記事では断定しません。ここで押さえておきたいのは、区分によって課税価格の計算方法(0.6換算を使えるかどうか)が変わるという点です。自分の輸入がどちらに該当するか判断に迷う場合は、税関に確認してください。

「少額だから」「1個だけだから」というだけで、個人輸入向けの60%換算が自動的に使えるとは限りません。次の章では、商業貨物の場合に免税ラインがどう扱われるかを見ていきます。

商用輸入の免税ライン:CIF≤¥10,000

商業貨物であっても、課税価格(CIF=商品価格+運送費+保険料の合計)が1万円以下であれば、原則として関税・消費税は免除されます。個人使用目的の輸入と違うのは60%換算が使えない点だけで、免税ラインの1万円自体はどちらにも存在します。

課税対象は「商品代金」だけではない

商業貨物の課税価格には、商品代金だけでなく国際送料・保険料も含まれます(CIF)。仕入れ値の安さだけを見て「1万円以下だから免税」と判断すると、送料込みの金額が1万円を超えて課税対象になっていることを見落とすおそれがあります。

1万円以下でも免税にならない品目がある

革製バッグ・ハンドバッグ、手袋、革靴などの履物、スキー靴、パンスト・タイツ、ニット製衣類(Tシャツ・セーターなど)は、関税定率法施行令16条の3により、課税価格が1万円以下でも1万円以下の免税の対象外とされています。これらの品目は金額にかかわらず、通常の税率(一般税率)で課税されます。

1万円を超えた場合でも、税率がいきなり複雑になるわけではありません。課税価格20万円以下の一般貨物・郵便小包には、簡易税率という仕組みが用意されています。次の章で整理します。

簡易税率のしくみ

郵便物等として輸入される貨物については、金額帯に応じて次のように税率の計算方法が変わるとされています。

〜20万円

簡易税率が適用される

課税価格が20万円以下の場合、品目ごとに簡略化された税率(簡易税率)で関税を計算できます。品目によって税率は異なり、無税に近いものから一定の税率がかかるものまで幅があります。正確な税率は品目ごとに税関の公表情報で確認する必要があります。

20万円〜

実行関税率が適用される

課税価格が20万円を超える場合は、簡易税率ではなく、品目ごとに定められた正式な関税率(実行関税率)で計算します。関税分類(HSコード)の特定など、より専門的な手続きが必要になります。

税率対象品目の例
酒類(1Lにつき)品目により70円・20円・30円
20%トマトソース、氷菓、毛皮製品等
15%コーヒー、茶、なめした毛皮等
10%衣類・附属品(メリヤス編み・クロセ編みのものを除く)等
3%プラスチック製品、ガラス製品、卑金属製品、家具等
無税ゴム製品、紙製品、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品
5%その他

簡易税率が使えない品目もある

簡易税率は一般貨物・郵便小包が対象で、携帯品・別送品や無税・免税品、不適当と判断された品目は対象外です。輸入者が希望すれば一般税率を選ぶこともできます。革製旅行用具・ハンドバッグ、ニット製衣類、履物、身辺用模造細貨類(卑金属を除く)、穀物、乳製品、食肉調製品、たばこ、精製塩などは、簡易税率ではなく通常の関税率(一般税率)が適用されます。なお、ニット製衣類は課税価格が1万円以下でも免税の対象外で、一般税率が適用されます。消費税は簡易税率の対象になる品目にも、無税の品目にも別途課税されます。

0.6掛け廃止の詳細(決定・2028年施行)

0.6掛けの廃止は法律として決定済み

個人使用目的の輸入における60%換算の特例は、令和8年法律第5号(関税定率法等の一部を改正する法律、2026年3月31日公布)により廃止することが決定しています。施行日は令和10年4月1日(2028年4月1日)です。それまでは、個人使用目的の貨物に限り60%換算が残ります。

財務省によると、この0.6換算(海外小売価格を40%軽減する扱い)が適用される貨物の9割以上は課税価格1万円以下で、少額の個人輸入という形をとりながら実質的に税負担を抑えて商品を輸入する事例があることが、見直しの理由として挙げられています。

財務省の資料によると、輸入許可件数は令和6年に約1億9千万件で、令和元年の約4,600万件からおよそ4.1倍に増加しており、その約9割が課税価格1万円以下、多くが中国・韓国原産とされています。

この記事の冒頭で説明した「16,666円」との関係

記事の冒頭で触れた「16,666円までは非課税」という目安は、この60%換算を逆算して生まれた数字です。この特例は令和10年4月1日(2028年4月1日)に廃止されることが決定しているため、それ以降は個人使用目的の輸入でも0.6換算が使えなくなり、この目安自体が成り立たなくなります。

消費税の扱いも変わる(令和10年4月1日以後)

令和8年度の消費税法改正により、令和10年4月1日以後は、海外から通信販売で発送される1万円(税抜)以下の商品の販売について、販売事業者(または一定規模以上のプラットフォーム事業者)が国内取引として消費税を申告・納税する仕組みが導入されます。輸入時点では、課税価格1万円以下であれば従来通り原則関税・消費税は免除されます。登録申請は令和9年10月1日から始まるとされています。この改正が中国輸入を行う小規模な仕入れ手にどう影響するかについて、国税庁の資料には具体的な記載がなく、本記事では断定しません。

この0.6掛け廃止は、個人使用目的の輸入だけに関わる話です。商業貨物にはそもそも0.6換算がなく、CIFの合計額が1万円以下かどうかで免税を判定する仕組みは今後も変わりません。

計算例で比較する

実際の数字を使って、個人輸入と商用輸入で課税の扱いがどう変わるのかを比較してみます。あくまで仕組みを理解するための簡略化した例であり、実際の税額は品目・時点の制度によって変わる点に注意してください。

ケースA|個人使用目的の輸入

  • 海外小売価格:¥16,000
  • 60%換算後の課税価格:¥16,000×0.6=¥9,600
  • → 課税価格が1万円以下のため、原則として関税・消費税は免除(令和10年3月31日まで)

ケースB|商業貨物(転売用の仕入れ)

  • 商品代金:¥12,000
  • 国際送料:¥3,000
  • 課税価格(CIF、60%換算なし):¥15,000
  • → 1万円を超えるため課税対象

計算例(仮の品目・税率):ケースBを衣類(ニット製を除く)と仮定した場合

  • 簡易税率10%を適用 → 関税:¥15,000×10%=¥1,500
  • 消費税の計算対象:¥15,000+¥1,500=¥16,500 → 千円未満切捨てで¥16,000
  • 消費税(7.8%):¥16,000×7.8%=¥1,248 → 百円未満切捨てで¥1,200
  • 地方消費税:¥1,200×22/78≈¥338 → 百円未満切捨てで¥300
  • 合計の税額:¥1,500+¥1,200+¥300=¥3,000

※品目・税率は説明用の仮定です。実際の品目に適用される税率は税関の公表情報でご確認ください。円未満・百円未満の切り捨てはJETRO記載の計算方式にもとづく計算例です。

同じ「商品代金¥12,000+送料¥3,000」でも、ケースAのような個人使用目的の輸入は60%換算が使え、課税価格が1万円以下に収まりやすいのに対し、ケースBの商業貨物は60%換算が使えず、送料込みの全額¥15,000がそのまま課税価格になります。1万円を超えた場合にだけ、簡易税率などの税金がかかる、という仕組みです。なお、ニット製衣類(Tシャツ・セーターなど)や革製ハンドバッグ、革靴などは、課税価格が1万円以下でも免税の対象外とされ、通常の関税率(一般税率)が適用されます。

税込みでの正確な原価を把握してから利益を計算したい場合は、利益計算ツールに送料・税額を含めた原価を入力し、出品前に赤字にならないか確認しておくと安心です。

売る前に確認:中国輸入で仕入れた商品をメルカリで売る場合は、事業者としての規約対応や「手元にない商品」の出品禁止ルールも別途確認しておく必要があります。詳しくはメルカリShopsと無在庫出品ルールを解説した記事で整理しています。

次に読みたい記事

この記事は、中国輸入せどりを続けるうえで避けて通れない「個人輸入と商用輸入の違い」を掘り下げた記事です。関連するテーマは、以下の記事でも取り上げています。

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まずは仕入れ前に利益計算をしておこう

送料・税額まで含めた原価をもとに、出品前に利益計算を済ませておきましょう。

よくある質問

個人輸入と商業貨物で、課税額の計算方法はどう違いますか?▼
課税価格の算出方法が異なります。個人使用目的の郵便物等には、海外小売価格のおおむね60%を課税価格とする扱いがありますが、商業貨物にはこの60%換算は適用されず、商品価格に運送費・保険料を加えた合計(CIF)がそのまま課税価格になります。
「16,666円まで非課税」というのは本当ですか?▼
個人使用目的の輸入に限った目安です。課税価格の合計が1万円以下であれば関税・消費税は原則免除されるため、海外小売価格×0.6が1万円以下になる16,666円程度までが非課税になりやすい、という逆算の目安にすぎません。この0.6掛けの特例は令和10年4月1日(2028年4月1日)に廃止されることが法律で決定しています。
転売目的で仕入れる場合、1万円以下なら関税・消費税はかかりませんか?▼
商業貨物であっても、課税価格(商品価格+運送費+保険料の合計)が1万円以下であれば、原則として関税・消費税は免除されます。ただし革製バッグ・ハンドバッグ・手袋・革靴などの履物・ニット製衣類など一部の品目は、この1万円以下の免税の対象外とされています。
簡易税率とはどういう制度ですか?▼
課税価格の合計が20万円以下の一般貨物・郵便小包を対象に、品目ごとに簡略化された税率で関税を計算できる制度です。革製旅行用具・ニット製衣類・履物などは対象外で、通常の関税率(一般税率)が適用されます。消費税は簡易税率の対象になる品目にも別途課税されます。

📚 参考情報・出典

※本記事は税務・通関に関する一般的な情報整理を目的としたものであり、個別の税務相談・法律相談に代わるものではありません。実際の税額計算や品目ごとの税率・輸入区分の判断は、必ず税関または税理士など専門家にご確認ください。制度は今後変更される可能性があるため、最新の状況は税関・財務省・国税庁の公式サイトでご確認ください。

📝 まとめ

✅ 「16,666円まで非課税」は個人使用目的の輸入だけに成り立つ、60%換算からの逆算の目安(令和10年3月31日まで)

✅ 商業貨物(転売用の仕入れ)には60%換算は使えないが、CIF(商品価格+運送費+保険料)の合計が1万円以下なら関税・消費税は免除される

✅ 革製ハンドバッグ・革靴・ニット製衣類などは、1万円以下でも免税の対象外

✅ 課税価格20万円以下の一般貨物・郵便小包には7段階の簡易税率が用意されている(対象外品目は一般税率)

✅ 個人使用貨物の60%換算は令和10年4月1日(2028年4月1日)に廃止されることが決定している

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