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少額輸入免税制度の改正

個人輸入の「0.6掛け」廃止が決定
2028年4月施行、1万円の免税は残る

決定した内容と、まだ確定していない部分を分けて整理する(2026年9月時点)

2026-09-11約10分で読めます山田 翔太
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山田 翔太

最終更新: 2026-09-30

📌 結論

個人使用目的の輸入における「海外小売価格×0.6」の課税価格計算(0.6掛け)は、令和8年法律第5号(関税定率法等の一部を改正する法律、2026年3月31日公布)により廃止することが決定した。施行日は令和10年4月1日(2028年4月1日)。財務省の法案概要では、廃止が決まったのは0.6掛けで、1万円以下の少額免税の廃止は含まれていない。商業貨物(転売目的の仕入れなど)にはそもそも0.6掛けがなく、CIF(商品価格+運送費+保険料)で課税価格を判断する仕組みは今回の改正でも変わらない。

制度確認日:2026年9月30日

本記事の制度に関する記載は、税関・財務省・国税庁が公表している情報にもとづく。制度は今後変更される可能性があるため、実際の判断の前には必ず各機関の最新情報を確認してほしい。

何が決定したのか(0.6掛け廃止)

個人使用目的の郵便物等の輸入で使われている、課税価格を海外小売価格のおおむね60%として計算する特例(いわゆる0.6掛け)を廃止することが、令和8年法律第5号(関税定率法等の一部を改正する法律、2026年3月31日公布)により法律として決定した。施行日は令和10年4月1日(2028年4月1日)で、それまでは個人使用目的の貨物に限り0.6掛けが残る。

「16,666円」という目安との関係

「商品価格が16,666円程度までなら非課税になりやすい」という目安は、この0.6掛けを逆算して生まれた数字だ。この計算の詳しい仕組みと、個人輸入・商業貨物の課税価格の計算方法の違いについては、個人輸入と商用輸入の違いを解説した記事で詳しく取り上げている。令和10年4月1日以後は、個人使用目的の輸入でも0.6掛けが使えなくなるため、この目安自体が成り立たなくなる。

財務省によると、この0.6換算が適用される貨物の9割以上は課税価格1万円以下で、少額の個人輸入という形をとりながら実質的に税負担を抑えて輸入する事例があることが、廃止の理由として挙げられている。

変わらないもの(1万円免税は残る)

財務省の法案概要では、廃止が決まったのは0.6掛けで、1万円以下の少額免税の廃止は含まれていない。廃止されるのは、個人使用目的の輸入に限って使える「海外小売価格×0.6」という課税価格の計算方法だけで、1万円免税というライン自体は残る。

商業貨物は最初から0.6掛けを使っていない

商業貨物(転売目的の仕入れなど)には、そもそも0.6換算は使われておらず、商品価格+運送費+保険料(CIF)の合計で課税価格を判断する仕組みが最初から適用されている。この点は今回の見直しの前後で変わらない。

2028年4月に変わること(海外事業者の消費税)

令和8年度の消費税法改正により、令和10年4月1日以後は、海外から通信販売で発送される1万円(税抜)以下の商品の販売について、販売事業者(国内外を問わず、免税事業者を除く)、または対価の額が50億円を超える第二種プラットフォーム事業者が、国内取引として消費税を申告・納税する仕組みが導入される。

輸入する側への影響は「断定しない」

輸入時点では、課税価格1万円以下であれば従来通り原則として関税・消費税は免除される。登録申請は令和9年10月1日(2027年10月1日)から始まるとされている。この改正が中国輸入を行う小規模な仕入れ手にどのように影響するかについて、国税庁の資料には具体的な記載がなく、本記事では断定しない。

対象となるのは誰か

今回の0.6掛け廃止が直接影響するのは、個人使用目的で輸入する際に使われていた課税価格の計算方法だ。財務省は、少額の個人輸入という形をとりながら実質的に税負担を抑える「個人使用貨物と偽って輸入する事例」があることを、見直しの理由の一つとして挙げている。

商業貨物の計算方法は変わらない

商業貨物(転売目的の仕入れなど)は、そもそも0.6換算を使っておらず、CIFの合計額で課税価格を判断する仕組みが最初から適用されているため、この0.6掛け廃止によって新たに計算方法が変わることはない。個人輸入と商業貨物で課税価格の計算方法がどう違うかは、個人輸入と商用輸入の違いを解説した記事で詳しく整理している。

決定までの経緯(タイムライン)

2025年10月17日

ワーキンググループで審議資料を公表

財務省「急増する少額輸入貨物への対応に関するワーキンググループ」で、審議のための資料が示された。

2025年11月26日

同ワーキンググループで審議を継続

同じワーキンググループで、続報となる審議資料が示された。

2026年3月31日

法律が公布(0.6掛け廃止が決定)

関税定率法等の一部を改正する法律(令和8年法律第5号)が公布され、0.6掛け廃止が法律として決定した。

2027年10月1日

消費税の登録申請が開始

特定少額資産販売事業者としての登録申請が始まるとされている。

2028年4月1日

施行(0.6掛け廃止・消費税新ルール開始)

令和10年4月1日。0.6掛けの廃止と、海外事業者等による消費税の申告・納税の仕組みが、いずれもこの日に施行される。

財務省の資料によると、輸入許可件数は令和6年に約1億9,000万件で、令和元年の約4,600万件からおよそ4.1倍に増加しており、その約9割が課税価格1万円以下、多くが中国・韓国原産とされている。

次に読みたい記事

この記事は、個人輸入と商業貨物の課税価格の計算方法の違いを扱った記事の続報として、0.6掛け廃止の決定内容を掘り下げたものです。関連するテーマは、以下の記事でも取り上げています。

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よくある質問

個人輸入の1万円非課税ルールは廃止されたのですか?▼
財務省の法案概要では、廃止が決まったのは0.6掛けで、1万円以下の少額免税の廃止は含まれていない。廃止が決定したのは、個人使用目的の輸入に限って使える「海外小売価格×0.6」という課税価格の計算方法(0.6掛け)で、施行日は令和10年4月1日(2028年4月1日)です。
1万円免税はなくなるのですか?▼
財務省の法案概要に含まれる廃止は0.6掛けで、1万円以下の少額免税の廃止は含まれていません。課税価格の合計が1万円以下であれば関税・消費税が免除される仕組み自体は残ります。変わるのは、個人使用目的の輸入における課税価格の計算方法(0.6掛けが使えなくなる点)だけです。
商用輸入(転売目的の仕入れ)への影響はありますか?▼
商業貨物にはそもそも0.6掛けの特例が使われておらず、商品価格+運送費+保険料(CIF)の合計で課税価格を判断する仕組みが最初から適用されています。そのため、今回の0.6掛け廃止によって、商業貨物の課税価格の計算方法が変わることはありません。

📚 参考情報・出典

※本記事は税制に関する一般的な情報整理を目的としたものであり、個別の税務相談・法律相談に代わるものではありません。制度は今後変更される可能性があるため、最新の状況は税関・財務省・国税庁の公式サイトでご確認ください。

📝 まとめ

✅ 個人使用目的の輸入における「海外小売価格×0.6」の課税価格計算(0.6掛け)は、令和8年法律第5号により廃止することが決定している

✅ 施行日は令和10年4月1日(2028年4月1日)。それまでは0.6掛けが残る

✅ 財務省の法案概要では1万円以下の少額免税の廃止は含まれておらず、免税ライン自体は残る。商業貨物にはそもそも0.6掛けはなく、CIFで課税価格を判断する仕組みは変わらない

✅ 令和10年4月1日以後、海外の通信販売事業者等が1万円以下の販売について消費税を申告・納税する新しい仕組みが始まる。登録申請は令和9年10月1日から

✅ 輸入許可件数は令和6年に約1億9,000万件、令和元年の約4.1倍に増加し、その約9割が1万円以下とされる

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