【eBayセラー必読】CPSC電子申告義務化で発送が止まる?
おもちゃ・アパレル出品者の対処法
佐藤健介
越境EC研究員 / 元eBay PowerSeller / 最終更新: 2026-09-02
📌 結論
2026年7月8日から、アメリカ向けに対象製品を発送するeBayセラーは、米国消費者製品安全委員会(CPSC)への製品安全証明書の電子申告(eFiling)が義務化されました。対象はおもちゃ、子ども服、ベビー用品、子ども向けジュエリー、アパレルなど幅広いカテゴリーです。これまでは証明書を手元に保管しておくだけで良かったのですが、これからは通関のタイミングでシステム上に事前申告することが必須になります。証明書がないまま発送すると、商品の没収・返送だけでなく、アカウント全体が制限されるリスクもあります。私自身、越境ECで3,500件以上の取引をしてきましたが、こうした制度変更は「知らなかった」では済まされません。今日中にご自身の出品カテゴリーが対象かどうか確認することをおすすめします。
CPSCとは何か、そしてなぜ今このルールなのか
CPSC(Consumer Product Safety Commission)は、家庭内やその周辺で使われる一般消費者向け製品を対象に、事故・けが・死亡のリスクから消費者を守ることを目的としたアメリカの行政機関です。おもちゃ、家具、家電、衣類など数千種類の製品を監視対象にしています。自動車はNHTSA(道路交通安全局)、食品・医薬品はFDA(食品医薬品局)の管轄なので、CPSCの対象外です。
これまでの運用では、安全基準への適合を示す証明書(CPCまたはGCC)を出品者側が保管しておき、米国税関国境警備局(CBP)から求められたときだけ提示すればよい、という「性善説」に近い仕組みでした。しかし輸入製品の急増にともない、安全基準を満たさない不良品が市場に流通するリスクが高まったことを受け、2026年7月8日からは通関時に電子データとして事前申告することが完全に義務化されています。
対象になる商品とならない商品
対象になりやすいのは、12歳以下の子ども向けに設計・販売される製品全般です。具体的にはおもちゃ、子ども服、ベビー用品、子ども向けジュエリーが典型例です。加えて、子ども向けに限らないアパレル全般も対象カテゴリーに含まれます。
必要な証明書は製品の性質によって変わります。12歳以下向けの製品にはCPC(Children's Product Certificate)、それ以外の一般消費者向け製品にはGCC(General Certificate of Conformity)が求められます。自分の出品が対象かどうか迷う場合は、CPSC公式ツール「Regulatory Robot」を使えば、質問に答えていくだけで判定できます。
対象外なのは自動車部品(NHTSA管轄)や食品・医薬品(FDA管轄)です。ホビー用品やコレクターズアイテムであっても、対象年齢の表記次第で扱いが変わってくる点には注意が必要です。
コレクター向け表記でCPC証明書が不要になるケース
実務上、越境セラーの間で特に重要視されているのが「コレクター向け(13歳以上対象)」という表記の扱いです。フィギュアやトレーディングカードなど、見た目はおもちゃに近くても実際には大人のコレクター向けに作られている商品は少なくありません。こうした商品について、出品ページ上で対象年齢を「13歳以上」と明記することで、子ども向け製品を意味するCPC証明書の取得義務から外れる余地があります。
ただし、これは表記さえすれば無条件に免除されるという単純な話ではなく、商品の実態(デザイン、販売方法、想定される購入者層)が総合的に判断材料になります。グレーな判断が必要な商品については、無理に自己判断せず、専門家やeBay Japanの案内を確認したうえで対応することをおすすめします。
今すぐやるべき4つのステップ
① Regulatory Robotで対象品を判定する
CPSC公式サイトのツールに製品情報を入力し、CPC・GCCどちらが必要か、あるいは対象外かを確認します。出品リストを1点ずつ見直すところから始めるのが確実です。
② 証明書の根拠となるTest Reportをメーカーに問い合わせる
CPC・GCCはそれ自体が単独で成立するものではなく、安全基準への適合を示す試験報告書(Test Report)が根拠になります。まずは仕入れ先やメーカーに、該当する試験報告書があるかどうかを確認しましょう。
③ 証明書が用意できない商品は出品の見直しを検討する
どうしても証明書が準備できない商品については、無理にアメリカ向けに発送を続けるのではなく、出品の一時停止や対象国からの除外も現実的な選択肢です。アカウント全体が制限されるリスクを考えれば、一部の売上を諦める方が結果的に安全な場合があります。
④ SpeedPAK利用者は発送フローの変更に特に注意する
SpeedPAKで発送しているセラーは、発送前の書類提出が新たに求められる可能性があるため、通常の発送フローに沿って作業する前に、最新の提出手順を必ず確認してください。
よくある質問
Q. CPSCのルールはすでに施行されていますか?
はい。2026年7月8日からアメリカ到着分を対象に運用が始まっています。
Q. 証明書なしで発送するとどうなりますか?
商品の没収・返送に加えて、eBayアカウント全体が制限される可能性があります。対象カテゴリーの出品がある場合は早めの対応をおすすめします。
Q. コレクター向けの商品なら何でも対象外になりますか?
対象年齢を13歳以上と明記することで対象外になる余地はありますが、商品の実態によって判断が分かれるため、グレーなケースは慎重な確認が必要です。
関税とあわせてコンプライアンスコストを正確に見積もっておくことが、越境ECで長く売り続けるコツです。当サイトの配送料計算機で発送コストを試算し、テンプレート生成で商品説明を整え、eBay利益計算機で証明書取得コストを踏まえた利益率も確認しておいてください。
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参考情報
- 日本越境EC振興協会「CPSC規制強化と越境ECセラーが今すぐすべき対策の解説」(2026年7月)
- note「2026年7月開始!米国税関CPSC新ルールとeBay輸出の対策ガイド」