【2026年7月更新】EU3ユーロ定額関税
&米国122条関税、eBay輸出はどう変わる?
最終更新日: 公開: 読了目安: 約10分
2026年7月1日、EUが150ユーロ未満の小包への3ユーロ定額関税を導入した。米国は通商法122条に基づく10%追加関税が2026年7月24日に期限を迎える。日本からのeBay輸出セラーが今すぐ把握すべき変更点と具体的な対応策をまとめた。
結論
2026年7月1日からEUは150ユーロ未満の小包に品目ごと3ユーロの定額関税を導入し、フランスはさらに2ユーロを上乗せする。米国は122条10%関税の期限(7/24)と、郵便以外のデミニミス恒久停止への動きが同時進行中だ。eBay輸出セラーはDDP対応・価格見直し・市場最適化の3点を今すぐ対処すべきタイミングにある。
EU定額関税3ユーロ — 2026年7月1日〜
制度の内容
- 対象: 150ユーロ未満の小包(旧デミニミス対象品)
- 課税額: 品目ごとに3ユーロの定額関税(割合ではなく固定額)
- 期間: 2026年7月〜2028年7月(暫定)、その後デミニミス完全撤廃
- VATは従来通りIOSS制度で引き続き徴収
変更前(〜2026/6/30)
150ユーロ未満 = 関税ゼロ
デミニミス制度で非課税
変更後(2026/7/1〜)
3ユーロ(約490円)固定
金額に関係なく全件課税
低価格品への影響
商品価格が低いほど固定3ユーロの負担感が増す。500円の商品に490円の関税がかかれば実質2倍の価格となり、バイヤーが受取を拒否するリスクが高まる。低価格品の EU向け販売は継続の是非を再検討すべきだ。
フランスの追加2ユーロ — 合計5ユーロ負担
フランス独自の小口貨物税
フランスはEU共通の3ユーロに加えて、独自の2ユーロの小口貨物税を別途課している。フランス向け1件あたりの合計固定負担は5ユーロ(約810円)になる。
フランスへの発送では、バイヤーに事前に追加コストがかかることを商品説明か発送オプションで明記しておくと、受取拒否やクレームを防ぎやすくなる。
米国122条関税10%の現状と期限
2026年2月24日〜
通商法122条に基づく10%追加関税が発動。150日間の期限付き。
2026年7月24日 — 150日目
期限到来。延長・引き上げ(最大15%)の可能性があるため要監視。
Section 122は最高裁がIEEPA関税を違憲と判断した後に発動した代替措置。10%は標準関税率への上乗せとなる。7月24日以降の動向次第で米国向け輸出コストが大きく変わるため、その後の政府発表に注目が必要だ。
米国デミニミス恒久停止への動き
CBP最終規則のポイント
2026年6月24日発効のCBP最終規則で、郵便網以外のデミニミス停止が恒久化する方向で進んでいる。
パブリックコメントの期限は2026年7月24日。最終規則確定後は郵便以外では$1の商品でも全件関税対象。
デミニミス($800以下免税)の廃止は2025年8月29日にすでに大統領令で実施済み。今回の規則はその恒久化・法制化を図るもの。eBayを含む非郵便ルートでの輸出はすでに全件関税対象となっており、実務上の変化は限定的だが法的安定性が増す。
DDP戦略と具体的な対応策
DDPを推奨する理由
DDP(Delivered Duty Paid)はセラーが関税・税金を立て替えて商品を届ける条件。バイヤーは受取時に追加費用がかからないため、受取拒否やチャージバックのリスクが下がる。
- 受取拒否・返送コストを防げる
- バイヤーの安心感が上がり評価が安定する
- 「Customs fees may apply」表示による購入離脱を防げる
市場の優先度を見直す
今すぐ使える関税計算ツール
EU新関税・米国122条に対応済み
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商品価格とカテゴリを入力するだけで、EU・米国・13ヵ国の関税・VAT・通関手数料の合計をバイヤー視点で自動計算。DDPとDDUの比較も可能。
関税を計算するよくある質問
Q. EU向けeBay輸出で2026年7月から何が変わりますか?
2026年7月1日より、150ユーロ未満の小包(旧デミニミス対象品)に品目ごとに3ユーロの定額関税が課されるようになりました。フランスはこれに加えて独自の2ユーロの小口貨物税も別途加算されます。この制度は2028年7月までの暫定措置で、その後はデミニミスが完全撤廃される予定です。
Q. 米国のSection 122関税はいつまで続きますか?
通商法122条に基づく10%の追加関税は150日間の期限付きで、2026年7月24日が終了予定です。ただし引き上げや延長の可能性もあるため、最新情報の確認が必要です。
Q. DDPとは何ですか?eBay輸出で必要ですか?
DDP(Delivered Duty Paid)とは、関税・税金をセラー側が負担して商品を届ける取引条件です。通常(DDU)だとバイヤーが受取時に関税を請求され、支払い拒否による受取拒否が増えます。EU・米国の関税が増えた今、DDP対応の発送サービスを使うことでトラブルを大幅に減らせます。
Q. フランス向け発送で追加されるコストはどのくらいですか?
EU共通の3ユーロ(約490円)に加え、フランス独自の2ユーロ小口貨物税(約320円)が別途かかります。合計5ユーロ(約810円)が1件あたりのバイヤー負担コストとして増加します。低価格帯の商品ではこの固定費が相対的に大きく影響します。
Q. 関税増加後もeBay輸出は続けるべきですか?
関税増加は全セラーに等しく影響するため、相対的な競争力は変わりません。日本製品の品質・希少性に対する海外需要は依然として強く、香港・オーストラリア・シンガポールなどデミニミスが維持されている市場に注力する戦略も有効です。
まとめ
- EU: 2026/7/1〜 150ユーロ未満の小包に品目ごと3ユーロ定額(フランスは+2ユーロ)
- 米国: 122条10%関税は2026/7/24期限・15%への引き上げ可能性あり
- 米国: CBPが郵便以外のデミニミス恒久停止を進行中(コメント期限7/24)
- DDP対応・低価格品の見直し・関税コストが低い市場への注力が現実的な対策
佐藤 健介
越境EC研究員 / 元eBay PowerSeller | フリマナビ運営
2015年からeBay輸出に従事。累計取引3,500件以上、フィードバックスコア99.8%。カメラ・時計・アニメグッズを中心に月商最大80万円を達成。関税制度の変化を継続的に追跡し、日本人セラー向けの実践情報を発信している。